僕はお酒が好きだ。
中でも、ウイスキーをソーダで割るのが好きだ。
つまり、ハイボールが好きだ。
ハイボール好きが転じて、ハイボールで顔を洗ったことがある。
酒臭くて顔を洗い直した。
そして、ウイスキーと炭酸が、これでもかと目に染みる。
絶対にやめた方がいい。
さて、ハイボール好きが良い方に転じた話もある。
ある日、ハイボールとステーキを楽しんでいる時、「肉とハイボールは本当に合うなぁ」としみじみした。
さらに、ステーキにスパイシーさを引き出すためにブラックペッパーを捻り出したのだが、誤ってハイボールにも入ってしまった。
「やっちまった」と、頭を両手で押さえたが、投げた賽は元には戻らない。
致し方無く、ハイボールを飲むと奇跡が起きた。
今まで飲んだことない、スパイシーなハイボールが完成してしまったのだ。
話は逸れるが、コカ・コーラの父、ジョン・ペンバートンも失敗からコーラを生んだそうだ。
時は折しもアメリカの禁酒法時代。
薬剤師、化学者であったジョンはお酒の代わりになる代用飲料、そしてモルヒネやアヘン中毒の治療にも使える「薬」を開発しようとしたのです。
しかし、出来上がったレシピに冷たい水を入れてみよう → 炭酸水を入れてみよう、とやってみたところ「うまいじゃん!」となりました。
「薬用飲料の開発」と始めた試行錯誤は失敗しましたが、今や世界中で愛飲されている『コカ・コーラ』が誕生したのです。
コーラほどの発明には至った自負はないが、我が生涯で一寸の後悔もないくらいの発明はできた。
ブラックペッパーハイボールが旨すぎる。
ウイスキーの豊潤な香りに、ピリリとペッパーが後味を引く、高級感ある余韻。
ブルジョワにでもなった気分だ。
例えるならば、浦安鉄筋家族に登場する土井津仁が、スーツを着るような気分だ。
ぜひ、お試しあれ。
はるきち。